戦士「勇者が甘っちょろすぎてみていられない」
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14:名無しNIPPER
2020/09/18(金) 18:22:04.41 ID:NQo7nb9f0
戦士「それは別に間違ってねえだろ。全員始末できて良かったじゃねえか。」

勇者「・・・ねえ、イチジクコバチって知ってる?」

戦士「は?何の話だよ。知らねーよ、そんなの。」

勇者「この人達の話だよ。」

勇者は地面に転がっている盗賊の死体に、憐みの目を向けていった。

勇者「イチジクコバチとイチジクはね、共生関係にあるんだ。イチジクの中身って小さな粒粒になってるだろ?実は、あの粒粒一つ一つがイチジクの花なんだ。イチジクコバチはイチジクの中に入ると、花のいくつかに卵を産み付け、その他の花を受粉させる。そして卵から帰った幼虫は自分の周りの花をいくつか食べて成長する。」

「でも、時々欲張りなイチジクコバチがいてね。イチジクの花をほとんど受粉させずに、逆にイチジクを食べつくすほど大量の卵を産み付けてしまうんだ。どうなると思う?」

戦士「そりゃあ、イチジクは種子を作れないだろうな。」

勇者「そうだね。でもそれだけで終わらないんだよ。もし、その欲張りなイチジクコバチの卵が何の問題もなく孵化してしまったら、その欲張りなイチジクコバチの子供がどんどん増えていってしまう。でも、実際はそうなっていない。なぜなら」

戦士「『節度を守りましょう』って他のイチジクコバチが注意でもするのか?」

勇者「それも一つの方法かもしれないね」

俺は茶化すように言ったが、勇者はまじめな顔でそう頷いた。



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