5:名無しNIPPER
2020/09/18(金) 18:09:47.29 ID:NQo7nb9f0
今夜、背中を預けることになるかもしれない相手だ。どういう人間か知っておこうと思ったのだろう。まあ少しくらいなら付き合ってやってもいいか。
戦士「真面目そうな顔してるくせに、真昼間から酒を飲むんだな。」
と茶化すように言った。
旅人「ええ、まあ、一杯だけですけど。」
旅人が照れたように笑う。人懐こそうな笑顔だな、と思った。
旅人「さっきはありがとうございました。荒事になりそうな所を仲裁していただいて。」
戦士「ああ構わねえよ、別に。というかその口調辞めてくれよ。年はそんなに変わらねえだろ。」
旅人「そう、かな。うん、そうだね。ありがとう。」
戦士「ああ、それでいい。ところで、盗賊は何人ぐらいなんだ?どうして追われてる?」
旅人「数は多分十数人だよ。実は、前の町で商人さんの娘さんが盗賊に目を付けられてしまったみたいなんだ。」
戦士「は?女一人を狙って大勢ではるばる追ってきたってのか?」
旅人「狙われた理由はそうだろうけど、追ってきたのは女一人のためじゃない。商人の他の娘や息子もいるし、従者だってまだ若い。馬や馬車も、結構上物だと思う。」
戦士「・・・人さらいか。」
旅人「そうみたいだ。話では結構悪質な盗賊らしい。」
戦士「良質な盗賊なんて見たことないけどな。」
そういうと旅人は「確かに」と言って少し笑った。
年の割に無邪気な笑い方をするやつだな、と思う。
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