31:名無しNIPPER
2020/09/19(土) 23:00:23.42 ID:66ORp3Ez0
 戦士「お、起きたみたいだぞ。」 
  
 焚火を囲んで朝食を食べているときに戦士が言った。 
 魔法使いが目を覚ましたようだ。魔翌力を封じる薬は、彼女が眠っていたため飲ませられなかった。 
 しかしもうとっくに日は昇りきっているにもかかわらず、魔翌力が暴走する様子は見えなかった。どうやら杞憂だったようだ。安心させようと、彼女の手を握る。 
  
 魔法使い「この匂い・・・塔の外なの?あなたたちは誰?」 
  
 彼女の手を開き、手の平に文字を書く。 
  
 『安心してくれ。君の友達に頼まれて塔から助け出したんだ。』 
  
 魔法使い「そう・・・あれは夢じゃなかったのね。ありがとう。本当に・・・」 
  
 そういってまた涙を流し始めたため、僕は慌てて彼女の手に次の言葉を書いていった。 
  
 『魔翌力が暴走する危険があると聞いたけど、大丈夫そう?』 
  
 魔法使い「ええ、大丈夫みたい。目も見えないし耳も聞こえないから不安だけど・・・」 
  
 戦士「杞憂だったみてえだな。」 
  
 勇者「そうだね。起きた瞬間パニックを起こして、辺り一帯ごと吹き飛ばされたらどうしようかと思ってたよ。」 
  
 戦士に笑って返事をしながら『ご飯食べる?』と書いた。 
  
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