タツマキ「す、好きじゃないわよ……」サイタマ「じゃあ、やめるか?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/10/03(土) 22:34:46.23 ID:OrrkKALEO
「そもそも何で抱きしめる必要があるのよ」
タツマキは考える。あの男の行動理由を。
「場所を変えるにしても他にやりようがあるでしょ。あんな、いきなり抱きつくなんて」
今思い出しても頭にくる。顔が、あっつい。
「やっぱりアイツ私のことが好きなのかしら」
タツマキは直接そう尋ねたが、あの男は答えなかった。なのでその真相は不明である。
たしかなことはしっかりとした抱擁だった。
「抱きしめられると……あんな感じなのね」
どんな感じかというと筆舌に尽くしがたい。
タツマキは背が小さく、その小さな彼女の身体は、その男に簡単に包み込まれた。
その男は決して巨漢というわけではなく、鍛えてはいたがヒーローとしてはやや頼りない身体つきだった。だからこその、不可解。
「なんであんなに力強いのかしら……」
ちっとも強そうには見えない男だったがしかし、その腕に込められた力は強く、絶対に離さないという強い意思が感じられた。
事実、どれだけもがいても無意味だった。
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