タツマキ「す、好きじゃないわよ……」サイタマ「じゃあ、やめるか?」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/03(土) 22:39:17.28 ID:OrrkKALEO
「好きなら好きって正面なら言いなさいよ」

枕をあの男に見立てて文句を口にする。
そしてふと考える。もしもそうされたらと。
あの男に真正面から好意を告げられたら、その時に自分はどうしただろうか。考えて。

「ありえないから」

ハッキリ口に出して、拒絶した。振った。

「あんなハゲ、絶対にお断りよ」

男はハゲていた。それに締まりのない顔だ。
ヒーローのコスチュームは極めてダサいし、人前で抱きしめてくるほどにモラルもない。
タツマキがこの世で唯一憧れているヒーローランキング1位のブラストと比べるまでもなく、理想とはかけ離れた奴だった。

「でも……そこそこ強いのよね」

宙に浮かんだ枕を見ながら、腕を組む。
貧相な胸元には、まだ温もりが残っている。
たいして鍛えていない癖に、強さを感じた。

「……私を狙うだけはあるわ」

これまでタツマキに言い寄る男はおらず、見た目とは裏腹に28歳となった彼女は未だ、男性経験はなかった。しかし、仕方ないのだ。
なにせ、タツマキは強い。世界で2番目に。
無論、世界一のブラストを始めとして、白兵戦ならばタツマキでも敵わないかもしれないキングなど、ランキングでは計れない強者は存在している。しかし、タツマキは、強い。

「他の男共が敬遠する気持ちもわかるわ」

自分よりも強い女に守られるのは誰だって嫌だろうと、強さを引き換えにいろいろと発育が足りていないタツマキは自分がモテないのはひとえに己の強さのせいであると、そう捉えていたのだ。


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