タツマキ「す、好きじゃないわよ……」サイタマ「じゃあ、やめるか?」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/10/03(土) 22:42:41.76 ID:OrrkKALEO
「最低限の強さは身につけてるわけね」

そう考えると、あの男は悪くなかった。
それなりの強さを見せた。そこは認める。
妹の前だったり、野外だったりに目を瞑るならば、話くらいは聞いてやっても良かったかも知れない。タツマキとて、わかるのだ。

「あれだけの力を身につけるには、相当な努力か必要よね……きっと私よりも、ずっと」

力とは、努力によって身につく。
超能力を持つタツマキは天才であったが、ここまで強くなるには相応の努力が伴った。
自分を救ったブラストに追いつきたかった。
それを目標にこれまで頑張ってきた結果だ。

「あいつも……頑張ったのよね」

恐らく、あの男は血も滲むような努力を積み重ねて、タツマキにその結果を見せたのだ。
よもやその努力が毎日腕立て腹筋100回と、10Kmのランニングとはタツマキは露知らず、壮絶なトレーニングを思い浮かべた。

「あんなにハゲるまで頑張って……」

宙に浮かぶ枕をあの男のハゲ頭に見立てて、手を伸ばす。あのハゲ頭は努力の証だ。
あの男は自分と釣り合うヒーローになるべく、あんなにハゲあがるまで頑張ったのだ。

「ふ、ふん。その点だけは褒めてあげる!」

感謝しなさいよねとばかりに、枕を撫でる。
彼女とてひとりの女。好意は素直に嬉しい。
あんな風にハゲるくらいの好意は初めてだ。


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