68:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 01:58:33.28 ID:F8D/mY4l0
◆
69:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 01:59:31.53 ID:F8D/mY4l0
なんでも、担当している雑誌の姉妹誌を創刊するそうで、
その編集部を大阪支社に設けることになり、先輩はその編集長に抜擢されたようで。
70:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:00:05.77 ID:F8D/mY4l0
私は話を聞いて、聞かざるを得ない。
「彼の事、止めなかったの?」
71:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:00:46.58 ID:F8D/mY4l0
バタ子は整理するような間をおいて、ゆっくりと口を開く。
72:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:02:11.59 ID:F8D/mY4l0
話し終わってから。
彼女は胸ポケットから四角い箱を取りだす。
一本引き抜いて、それにライターで火をつける。
73:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:03:25.25 ID:F8D/mY4l0
それからお互い無言で。
バタ子が一本目最後の煙を吐き終わって、
灰皿にジュッと押し付けるのを見届けてから、私は尋ねる。
74:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:05:01.61 ID:F8D/mY4l0
◆
『……こんなところだな。なにか質問はあるか?莉緒』
75:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:05:58.30 ID:F8D/mY4l0
「……ねぇ、そっちはどう?」
『ああ。撮影の方も順調だ。今は自分の部屋でのんびりしてるよ。そっちは変わりはないか?』
76:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:06:47.80 ID:F8D/mY4l0
こうして彼と話しながら、手持ち沙汰になった手で、彼のくしゃくしゃのタバコの箱を弄んでいた。
気まぐれに潰れた箱を元の形に戻していると、タバコの葉がパラパラと落ちてくる。
中を見ると、数本タバコが入っているようだった。
77:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:07:26.82 ID:F8D/mY4l0
ーーーしけってるって言ってたけど。
78:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:08:05.17 ID:F8D/mY4l0
「……ねぇ。今日の仕事の話、聞かせて?」
『え?仕事の話?』
79:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:08:40.94 ID:F8D/mY4l0
思えば、この香りには、たくさん悩まされたな。
80:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:09:17.94 ID:F8D/mY4l0
ふと、思い出す。
バタ子が、言ってた、ナゾナゾ。
81:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:09:54.26 ID:F8D/mY4l0
手元の煙の元を見る。
灰が、どんどん長くなっていく。
82:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:10:41.18 ID:F8D/mY4l0
「会いたいな。君に」
83:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:11:32.65 ID:F8D/mY4l0
やっぱり、私は、
84:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:12:44.88 ID:F8D/mY4l0
―――――― お互いおやすみ、と言いあって、通話を終える。
85:伊丹 [sage]
2020/11/21(土) 02:16:54.43 ID:F8D/mY4l0
以上です。お目汚しを失礼しました。
アイドルと喫煙って、タブーですよね。
だからこそ、一本、書いてみました。
86: ◆NdBxVzEDf6[sage saga]
2020/11/21(土) 02:19:58.92 ID:aqBP14m00
最後の雰囲気いいですなぁ
乙です
百瀬莉緒(23) Da/Fa
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87:名無しNIPPER[sage]
2020/11/21(土) 08:39:48.31 ID:KuAgJAMDO
乙
煙草か……肺をやっちゃったから、育桃が煙草を吸える年齢まで生きていられるかな
88:名無しNIPPER[sage saga]
2020/11/22(日) 16:50:50.01 ID:j4+KPWs/0
乙
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