御園かりん「お前の心を盗むのだ!」
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11: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2020/11/29(日) 17:46:43.86 ID:F2WpVU4e0


やちよ「ところで今のアリナは、あんなに必死になってまで何を描こうとしているの?」

かりん「命をテーマにした絵なの」

やちよ「命をテーマにした絵・・・。記憶を失う前に描いていた死者蘇生シリーズのような?」

かりん「そうなの」

みふゆ「入院しているときのアリナが『ラビリンスで迷ったら入り口に戻ってみればいい』と言っていました。今のアリナは、記憶を取り戻すために過去の自分が表現していた絵をなぞっているのでしょうね」

やちよ「その試み自体は間違っていないでしょうけど・・・」

やちよ「以前アリナの経歴を見たことがあるわ。愛犬の死と祖父母の死を通して、生と死の境の描写を試みるようになったと。・・・その記憶も失っているのなら、今のアリナが以前と同じような絵を描くのは難しいんじゃないかしら」

かりん「うん、その通りなの・・・。でも、記憶を失っても、描きたい絵を何が何でも描こうとするアリナ先輩は変わってないの。だから、できないことを無理矢理やって、いつか体を壊さないか心配なの・・・」


アリナ「ちがう・・・。こうじゃない・・・こうじゃない! 違う違う違う!!」バシャッ

アリナ「アリナのアートには奥に何かがあるのに・・・! 見えない・・・! コピーしただけじゃ何も見えない、何も分からない、何の意味もない!! こうじゃない!! ヴァァアアアッ!!!」バシャァン


かりん「あー、もう・・・。またやっちゃったの・・・」

かりん「絵の具が顔に飛び散ってるの。拭くからじっとしてるの」フキフキ

アリナ「ンンッ・・・」

かりん「それにさっきから手に力が入ってないの。また朝ごはんとお昼ごはん食べてないの? そうだと思っておにぎり作ってきたから、これ食べるの」

アリナ「んっ、むっ・・・もぐっ」

かりん「アリナ先輩が好きな炭酸水も持ってきたから、これもちゃんと飲むの」

アリナ「もぐもぐ・・・ゴクッ、ゴクンッ」

かりん「それに目のクマがすごいの。昨日も寝てないの? 夜の方が絵が捗るのは知ってるけど、夜は寝なきゃダメなの」

アリナ「ハァ・・・? あのねぇ・・・。アリナのスリープタイムを邪魔しているのはドローイングじゃなくて、アナタがアリナに貸した大量のコミックのせいなんですケド」

かりん「ダメなの! そりゃあ、マンガだらけのこの世の中のせいでわたしもついつい夜更かししちゃうけど・・・。それでも夜は寝ないとダメなの! 体に良くないの! マンガはしばらく貸すからゆっくり読むの!」

アリナ「はぁ・・・。ハイハイ・・・」

かりん「それに明日はわたしと画材屋さんに行って、その後わたしのマンガの新キャラを一緒に考える約束なの。ちゃんと来て欲しいから今日はもう帰ってお休みするの」

アリナ「オーケーオーケー・・・・」フラフラ...

かりん「車に気を付けるのー!」

アリナ「ンー・・・・」

パタン






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