白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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140:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 01:44:52.35 ID:tRJaplXx0
 袖を引かれ、宙に浮いた右足が元へ戻った。視線をやると、杏が千夜のポケットをぱしぱし叩いた。
「はい?」
「スマホスマホ」

 言われて取り出すと、軽く操作しても反応がない。電源が落ちていた。そのようにした覚えもなく驚いて、すぐに再起動を試みる。滞りもなく画面は光った。バッテリーの異常ではないようだ。
 体調を崩しているちとせから緊急の連絡はないかと目を皿にしたが、その心配は要らなかった。

 喫緊の課題は別のことだった。
「杏さん。貴女、何もするなと言ったのでしたね」

 連絡アプリの画面を突き付けた。頼子から、《都ちゃんは一緒ですか? 居なくなってしまったんです》と表示されている。



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