白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
1- 20
176:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:12:53.63 ID:tRJaplXx0
 
 
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 
 
 その姿を認めると、彼女が本を読むベンチへ向かった。どこまでも広がる高空の下、注ぐ十五時の柔らかな陽光と、撫でるような風を頬に受け、歩く。文香は端に寄っていた。誰かがここに座ることを分かっていて、その人の場所を空けているというように。彼女にも光は注ぐ。中庭の樹々が生むちょっとした木漏れ日が、それから、渡り廊下が薄めた光線が、文香を神秘的な存在にしていた。

「お邪魔します」

 返事は待たないで身を返し、誰かの場所へ腰掛ける。座面は軽く軋んで、千夜を受け止めた。ちょっと遠慮した為、文香と仲違いしたようにそっぽを向いた。持ってきた紙の手提げを太ももに乗せて、中身と、その無事を確認した。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
234Res/183.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice