180:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:15:21.73 ID:tRJaplXx0
……
一結杳然、というように間を置くと、文香は静かに目を開け、微笑んだ。こちらもゆっくり頷き返した。深く息をすると、葉っぱの匂いがした。
千夜は手提げを持ち上げた。素材のクラフト紙がガサ、と音を立てる。
「これ、ありがとうございました。大変参考になりました」
文香は受け取ると、中身の『ガラン版 千一夜物語』を手にとって、愛おしがるように撫でた。
「楽しんで、頂けましたか。それで……」
「はい」噛み締めて、続けた。「結論が出ました。……ただ」
文香は首を傾げて、
「ただ?」
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