184:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 02:17:51.92 ID:tRJaplXx0
「カシムが盗賊に命を奪われるきっかけになったのは、アリババが盗賊の宝をくすねたことは勿論ですが、それをカシムの妻が嗅ぎつけたことが大きいですね。アリババが魔法の洞窟から持ち帰った大量の金貨を、アリババの妻はなんとか計量したがり、カシムの家へ枡を借りに行きます。カシムの妻は枡を貸し与えますが、枡を持たない貧乏なアリババが、一体何を量る程に手に入れたのか訝しみ、升の底に脂を塗り付けておきました。
そうして枡に残された一枚の金貨が、カシムの嫉妬を、怒りを呼び、彼自身の破滅を、そしてアリババの身に迫る大きな危険を巻き起こすことになります。《ささいなきっかけ、大きすぎる災厄》という言葉に――厳密な対応ではなくモチーフとして、ですが――照らすに、この脂に囚われた金貨≠ニいうのは、いかにも暗示的なように思われますね」
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