白雪千夜「アリババと四十人の盗賊?」
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19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:06:19.03 ID:6NLLeJ5C0
 皆一様に目をきょろきょろさせだした。千夜も倣う。居ない。
 先程居たはずの位置は空席だ。雲散霧消、一ノ瀬志希の紫の髪も、青味掛かった瞳も、猫のような微笑を湛えた唇もそこにはなく、その行方を知る者もないようだ。

「しまった、志希のやつ! 今すぐ探して来ます!」と、立ち上がりもせずに魔法使い。
(「ボクが行こう」と声が上がった。)
「それには及びませんよ。毎度の事ですからね、こっちも織り込み済みです」と演出家。
「いやあ、ほんと毎度ですよね、僕の力不足で申し訳ありません」
「いやいや、君と一ノ瀬さんなら毎度、順調に仕上げてくれますから」

 茶番だと感じた。用意された会話だ、と。千夜からすればまったく重大ごとに思えるのだが、天才一ノ瀬志希の実績とやらが、只今の謝罪や赦免をまるでうわ言にしてしまったのだろう。これでいいらしいので、千夜も考えるのはやめておいた。
 それよりは、これから読んでいく台詞に神経を使わなければならなかった。


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