44:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/01(火) 23:30:10.74 ID:6NLLeJ5C0
  あっけらかん、言い放ったちとせは、しかしその眼を油断なく光らせた。 
  対する文香も、また、あっけらかん、の体だった。 
 「仰ることが、よく……」 
 「誤魔化すのはだーめっ。それじゃあ私たち、楽しめない」 
 「お嬢様、私にも分かりませんよ」 
 「文香ちゃん、言ったよね。魔法使いさんのカップは、毎日使うものだって。ねえ、私たちがカップを買っていったら、それをあの人、毎日、使うんだよ」 
  
  陰った、と思う。千夜は今、文香に焦燥を見た。 
 「きっと思い出すのね」ちとせ。「毎日だよ。私が下賜したカップに、私を想って膝を突く。それで、何度もキスするの。天使のように純粋で、地獄のように熱いキス」 
 「それは」遮るように文香。「、…… それは、プロデューサーさんのお決めになること…… ですから。……私の存意の、介在する余地など」 
  
  
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