75:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/02(水) 00:58:08.12 ID:tRJaplXx0
はあ、とだけ曖昧に返したが、首をひねった。言意を量りかねている間に、ちとせは畳み掛ける。
「千夜ちゃんが心配してくれて嬉しいな。それで、このまま病人にお説教続ける気? 牧師様を叱る方がマシってものじゃない?」
「あのですね」
「ねえ千夜ちゃん、昨日早く帰ってれば、なんて思ってるでしょ。そんなの私、嫌だからね」
冗談めかして言う。だが、千夜には痛かった。頭に静電気が走って、息が止まる。
ちとせはベッドに倒れ込んで小さく弾むと、歌うような調子をつけて言う。
「のんびりしてれば元気になるよ。のんびりしてから、おいしいコーヒーを飲んだらね。ただちょっと疲れたの。さあ起こさないで、寝かせてよ——そうだな、九月が終わるまで。
……お稽古だったよね、楽しんできてね。いってらっしゃい、私の可愛い千夜ちゃん」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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