5:名無しNIPPER[saga]
2021/01/12(火) 23:15:41.05 ID:s/wsQdjy0
ようやく意識が朦朧としてきたとき、目の前を風が通り過ぎた。
それは、小柄な肉食動物のような俊敏な動きで、部屋を漁っている。
指揮官「ナナミ…ここは、お前の部屋じゃないだろう。来客用の部屋があるから、そこで休みなさい」
ナナミ「ここは、指揮官とナナミの部屋だよ。だって、この部屋にナナミの宝物を集めているんだもん!」
指揮官「どうりで、最近君の出入りが激しいわけだ…」
もはや天上天下無双の不法侵入者に打つ手なしで、全てを放棄し再び心地よい昏睡に浸ろうとする、
ナナミ「あー指揮官!眠るまえに一つ教えて!」
指揮官「なんだぁ」
ナナミ「指揮官が、指揮官をやめるってホントなの?」
指揮官「…ああ、本当だ」
最悪だ、ばっちり目が覚めた。
指揮官「誰から聞いたんだ?」
ナナミ「リーフから!今のうち、会っておいたほうがいいよって」
指揮官「ああ、なるほど」
彼女なりの気遣いだったのだろう。そういえば、ナナミともこれでお別れになるのか。
ナナミ「私と結婚するためなんだよね、、、ナナミ、うれしい!」
ナナミがぴょーんと跳ねて、ふわりと私の膝の上に着地した。
上目遣いで、頭をこすりつけてくる。
ナナミ「絶対に幸せにしてね。ううん、指揮官といれたら幸せだから、これから一緒にもっと幸せになろうね!」
指揮官「どうしてこうなった?」
ナナミの予想は、根本的に間違っている。私は、これから彼女の誤解を解くことに全力をかけた。
ナナミ「…」
指揮官「ということで、私が結婚するのはナナミじゃないよ」
ナナミ「うそつき」
指揮官「うそじゃない」
ナナミ「だって、指揮官に恋人なんていないじゃない」
指揮官「うぐ」
ナナミ「わたしは、指揮官のことならなんでも知ってるよ」
指揮官「だ、だが私は定期的にエデンにいる彼女と連絡をとっていてだな」
ナナミ「ちっちっち、全ての通信も、会話も記録されているものは全部ナナミのものなのだ」
指揮官「…天才ハッカーめ…」
ナナミ「そんなウソをついても、指揮官は、指揮官をやめたいんだね。レイヴン隊の誰にも悟られずに」
指揮官「…その通りだよ」
ナナミ「なんで?」
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