玉座の間にて
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17: ◆CItYBDS.l2
2021/02/03(水) 22:34:39.91 ID:MC1F9erq0

初めて聞く話であった。それに、魔王が倒れた今確かめようのない事実でもある。
しかし、魔王の下に送り込んだ戦士たちが勇者一党を除いて誰も戻らなかったことを思えば、その恐ろしさは真実なのであろう。

「そして、その子孫である貴殿もまたその栄華に授かったわけだ。
貴殿は、如何にして魔王の恐怖に打ち勝ったのだ?」

「皆の助けがあったからこそ」

勇者の頬に、一筋の光るものが流れる。
しばしの間、謁見の間に沈黙が降り勇者の啜り泣く声のみが響いた。
察するに、魔王との戦いで多くの仲間を失ったのであろう。

見かねた衛兵が、勇者に寄り添い手拭きを渡す。
勇者は礼を言い、それで鼻を?み再び面を上げた。


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