玉座の間にて
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20: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/03(水) 22:36:20.47 ID:MC1F9erq0

なんと、あの血煙が舞い鼻をつく据えた匂いが漂う悍ましき戦場に女を出すとは。

勇者一門にとって、『勇者』の号はそれほどに重いものであったのか。これは、もはや執着。否、妄執といって過言ではない。

「もちろん、名誉のみを求めて戦いに臨んだわけではございません。

我が一門は、剣で成り上がった身でありますれば。女子供とて、皆その心得がございます。
であれば、民の為にそれを振るうことにどうして躊躇することがありましょうや。

足の悪い祖母ですら、鞘を支えに剣を振るい申した」

「それは、当主である貴殿の考えによるものか?」


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