玉座の間にて
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26: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/11(木) 09:28:50.71 ID:oNIrsuw50

当主殿の号令に、再び歩みを進め魔王城へと突貫する。
だが、肩透かしもいいところ、我らは難なく入城を果たすことができた。それもそのはず、魔王城の城門は開け放たれ、その守り手すらも不在であったからだ。

妙だ、いくら総力戦と言っても本陣に兵を配置していないなんて在り得るのだろうか。

「奴ら、魔族の多くは、その膂力と引き換えに知力に乏しい。当然、統制の整った軍行動などとれるはずもない」

「親父、生きていたのか」

平原での乱戦で、姿を見失った父が知らぬ間に傍らに立っていた。
身体中傷だらけであるものの、その芯に揺らぎはない。俺は、父の健在な姿に安堵する。

「ふん、お前に心配されるほど耄碌しておらんわ」


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