玉座の間にて
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36: ◆CItYBDS.l2[saga]
2021/02/13(土) 09:56:04.08 ID:ewOe4rJE0

大叔父上は、倒れかかる供周りを手で押しのけ再びの大上段に構える。
あくまで一刀にかける、大叔父上のその頑なな姿に、魔王の口角が徐々に上がっていき、遂には歯を見せ声をあげて呵々大笑してみせた。

「よいぞ、人間」

魔王も、剣を振り上げ大叔父上と同じ上段の構えをとる。
ほんの瞬刻の沈黙の後、二人は同時に剣を振った。

「ぬうん……」

大叔父の巨体が、ぐらりとゆらぐ。
同時ではなかった、魔王の剣が僅かながら早かったのだ。


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