【ミリマス】松田亜利沙「同級生から、コクハクされちゃいました……」
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1: ◆yHhcvqAd4.[sage saga]
2021/03/05(金) 17:59:54.57 ID:sro8Zma60
こんにちは。

ホワイトデーガシャで出てきたイラストに衝撃を受けて「これに関連したものを何か書きたい〜〜!」
となっていたのですが、出来上がってみたらあまり関係ないものになっているかもしれません。

松田亜利沙さん個人のお話です。自分なりの解釈が混じっているので、解釈違いがあったらごめんなさい。

9レス分ほど続きます。短いです。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:自縄自縛 1/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:02:15.45 ID:sro8Zma60
 風の強い一日だった。飛ばされた帽子を追いかける小学生の男の子や、前髪を逆さまにされて額をおさえる中学生ぐらいの女の子が、自動車から見える景色を通り過ぎていく。並んだ自転車が将棋倒しになっているのも、視界の端に見えた。

 半ば徐行しながら大通りから三回曲がった所で、松田亜利沙の通う高校に到着したことをカーナビが告げた。校舎の外に出てくる者はまだいないようだった。

 正門の前でぽつんと佇む亜利沙には、笑顔が無かった。俯かせた顔はどこか真剣なようで、戸惑いも含んでいた。灰色の曇り空そのままの表情は、アイドル松田亜利沙らしいとは言えなかった。
以下略 AAS



3:自縄自縛 2/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:02:57.32 ID:sro8Zma60
 トーク番組への影響が懸念されたが、特に支障も無く収録は進んだ。制服から着替えてメイクアップが済む頃には、いつもの亜利沙になって「ふおお、共演するアイドルちゃんが!」と鼻息を荒くしていたのだから、単なる杞憂に過ぎなかったか。だが、楽屋を後にする時、亜利沙の顔からは笑顔が剥がれ落ち、今日の天気みたいに雲が立ち込めていた。

「プロデューサーさん」

 局の廊下を少し離れて歩いていた亜利沙は、「相談したいことがある」と口にした。スローテンポな固い足音が、廊下の壁をジグザグに反響する。
以下略 AAS



4:自縄自縛 3/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:04:08.18 ID:sro8Zma60
 翌日の土曜日、曇り空は雨雲に上書きされていた。目立つ場所を避けるために待ち合わせ場所に設定した、駅から少し離れた広場の一角からは、こんな天候なのに忙しなく通りを歩く人々が見える。誰もかれもが傘の向こうに顔を隠していて、雨音とびしゃびしゃ踏まれていく水溜りの音から耳を背けているようだった。

 透明なビニール傘、黒に茶色に……。流れていく傘の中から、エメラルドグリーンがこちらに向かって歩いてきた。

「すみませんプロデューサーさん、ちょっと遅れちゃいました」
以下略 AAS



5:自縄自縛 4/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:04:50.93 ID:sro8Zma60
 社長から連れられて初めて入った彼と同じように、ルノアールに入った亜利沙は店内をキョロキョロ見渡していた。

「すごく、落ち着いた所ですね……。ありさ、スタバとかドトールとかは行きますけど……」
「学生さんが来るような所じゃないからな」

以下略 AAS



6:自縄自縛 5/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:05:25.18 ID:sro8Zma60
「すぐ、彼は男の子たちのグループに混ざるようになったんで……。席替えしてからは、話すこともあまりなくなっちゃいました。中三の時にクラスも別になりましたし。一緒の高校になってからも、会ったら挨拶ぐらいはしてましたけど……」

 細い指が、おしぼりの入っていたビニール袋をがさがさと弄んでいる。注文していたハニートーストがテーブルに届いたが、頼んだ当の本人は手をつけようとしなかった。

「……彼の言葉を聞いた瞬間、大声も出ないぐらい、びっくりしました。頭の中がぐちゃーってなっちゃったんです。もうお仕事に行かなきゃいけない時間だったからお返事を考えることもできなくて、咄嗟に出てきたのが、お断りの言葉でした」
以下略 AAS



7:自縄自縛 6/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:05:59.59 ID:sro8Zma60
「100%の正解ってのが無い状況だと思うけど、俺は亜利沙の行動を支持するよ」

 ハンカチに涙を吸わせていた亜利沙が、顔を上げた。

「……でも……」
以下略 AAS



8:自縄自縛 7/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:06:29.24 ID:sro8Zma60
 小皿の上でずっと止まったままだったクリームチーズを少しだけバターナイフで削り、亜利沙がそれをハニートーストに塗り付けた。もうクタクタになっていたそれを千切って口に運ぶと、今日初めて、年頃の少女らしい笑みがこぼれた。

「プロデューサーさんも食べて下さい。ありさ一人には、ちょっと多いんで」

 勧められた通り、自らもハニートーストを口にした。サクッとした食感こそ失われていたが、濃い甘みがじわりと生地からあふれ出て、苦味と渋味に苛まれていた口の中に優しく広がっていく。
以下略 AAS



9:自縄自縛 8/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:07:10.97 ID:sro8Zma60
 ぬるくなったコーヒーも飲み干す頃に、亜利沙は戻ってきた。薄いメイクを整え直して、顔の血色も心なしか良くなっている。

「もう少しゆっくりしていくか?」
「あっ……そっか、プロデューサーさんの用事もあるんでしたよね。待ってください、残ったの食べちゃうんで!」
「いや、慌てなくていいよ。何軒か店を見て回るだけだから」
以下略 AAS



10:自縄自縛 9/9[sage saga]
2021/03/05(金) 18:07:45.63 ID:sro8Zma60
 店から出て、地下から地上への階段を上っている内に、青空が目に入った。まだ湿り気を含んだ風が吹いているが、もう誰も傘をさしていない。

「あ、あれ!」

 ビルの隙間から覗く空に、うっすらと虹がかかっている。足元には水たまりがあちこちに散らばっているが、数日続いていた曇天を思うと、なんだかそれだけでホッとすることができた。
以下略 AAS



11: ◆yHhcvqAd4.[sage saga]
2021/03/05(金) 18:13:02.93 ID:sro8Zma60
以上になります。ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました。

ふと思いついた疑問から書き始めた話でしたが、アイドルの人達ってこういう状況に直面することが多そう。
誰もが美希さんみたいにドライな対応を取れるわけでは無さそうだし、誤った対応をして人間関係がぎこちなくなることもありそう。

以下略 AAS



12: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2021/03/05(金) 19:45:25.45 ID:ylhRLq7+0
亜利沙は髪型変える度にドキッとさせられるな
乙です

松田亜利沙(16)Vo/Pr
i.imgur.com
以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2021/03/05(金) 19:51:46.33 ID:UAoQE4jMO
おつおつとても良かった
また書いて欲しい


14:名無しNIPPER[sage]
2021/03/05(金) 20:21:52.39 ID:vKB/37idO
乙〜


15:名無しNIPPER[sage]
2021/03/06(土) 00:27:08.77 ID:YLfQ6p4e0
乙、亜利沙の断り方が優しい。フる側も辛いんだな…。
「アイドルだから」という言葉が自らへのブーメランになってて切ない。


16:名無しNIPPER[sage]
2021/03/06(土) 09:20:40.18 ID:UETb/QmNo
ははーん作者アンタさては無類の無類の亜利沙好きだな?
去年の写真のやつといいしっとりした雰囲気の亜利沙書くの上手い

エロ2作(片方はこっちに投下されてないけど)もすごく好き


17:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/06(土) 22:09:33.63 ID:YLfQ6p4e0
>>16
お褒めの言葉、光栄です。
一番ではないけどかなり好きですよ。自分に自信持てないタイプの子(秋月律子etc)が割と性癖なもので……。
松田さんのゑちは2本とも「その日に思いついたものを爆速で仕上げてその日に公開」で書いたものなので、どちらもこっちには投下してないですね。


18:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/06(土) 22:10:35.49 ID:YLfQ6p4e0
??
>>15とID被ってる?


19:名無しNIPPER[sage]
2021/03/07(日) 21:37:55.95 ID:E3OyxGKMo
まつりのマッサージのssや莉緒姉の初体験のssとごっちゃになってました(赤面)


20:名無しNIPPER[sage]
2021/03/08(月) 06:59:03.12 ID:9iLuqtnYo
日付が変わって30分が経過し確実にIDが変わったと確信できるタイミングを待ち
酉とsagaを外しておくのはもちろんのこと
さらに三点リーダをあえてひとつに変えて別人を装っておく細かさ
こんな工夫俺じゃなきゃ見逃しちゃうね
ひょっとして慣れてるのかな?
以下略 AAS



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