C.C.「そんなお前を私は好きだぞ」ルルーシュ「どこまで本気なのやら……」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:47:06.53 ID:ZtGxStuEO
神聖ブリタニア帝国第99代皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名は史上最悪の独裁者として全世界に広く周知されている。
在位中、逆らう者は情け容赦なく粛清し、自らが法であると憚らず、傍若無人に振る舞うその治世は、身分と特権を奪われた貴族や巨大財閥の重鎮だけでなく、逆らう術を持たない一般市民をも恐怖のドン底に貶めた。
視察と称してまるで火遊びをするが如く、町ひとつを焼き滅ぼすような皇帝に怯え、小市民は地べたに這いつくばり平伏し、飛び火が自分たちの元へ飛んでこないことを願った。
皇帝にまつわる噂の中でも群を抜いて恐ろしいことは、誰も逆らえないというものだ。
皇帝に不満を持った者、或いは諫言を口にした者はまるでひとが変わったかのように従順となり、その後一切不平不満を漏らさない。
いかなる恐怖や苦痛を与えて従わせているのか、それを知っている者は誰一人として存在せず、しかし事実として、誰も逆らわない。
そんな絶対君主たる皇帝が、よもや崩御後。
「おら! 新人、さっさと配達してこいよ!」
「はい、ただいま!」
しがないピザ屋で態度の悪い先輩に顎でこき使われてアルバイトをしているとは、世界中の誰もが夢にも思っていなかった。
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2
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:48:38.62 ID:ZtGxStuEO
「今日も疲れたな……」
「! ルルーシュ、帰ったか!」
深夜まであちこちにピザを配り終えて、クタクタになったルルーシュが自宅アパートに帰ると、素肌にワイシャツのみを着たあられもない緑色の髪をした女が出迎えた。C.C.だ。
以下略
AAS
3
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:49:55.72 ID:ZtGxStuEO
「うん。今日もやはり、ピザは美味いな」
「せめて頂きますくらい言ったらどうだ」
「私は日々の糧を与え、祈られる側だぞ」
もちゃもちゃピザを頬張る自称・豊穣の女神の戯言を聞き流しつつ何気なくテレビをつけると特番がやっていて、いかにルルーシュが悪逆皇帝だったのかを専門家が語っていた。
以下略
AAS
4
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:51:14.60 ID:ZtGxStuEO
「ルルーシュ。お前のぶんだ」
風呂から上がると、C.C.がひと切れだけ残ったピザを体育座りしてじっと見つめていた。
髪を拭きながら、ルルーシュは訝しげに。
以下略
AAS
5
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:53:51.58 ID:ZtGxStuEO
「今日はどんな嫌なことがあったんだ?」
ふたりで最後のひと切れのピザを交互に食べながら、C.C.が尋ねてくる。悪意を感じた。
「良いことは聞かないのか?」
以下略
AAS
6
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:55:48.34 ID:ZtGxStuEO
「私とお前との生活に金なんて不要だ」
「しかし金がなければ生きていけない」
現にルルーシュは今日も今日とてC.C.を養うためにヘトヘトになって仕事をしている。
そんな夫を労わるように、妻はこう囁いた。
以下略
AAS
7
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:56:47.70 ID:ZtGxStuEO
「俺は別にどうなってもいいんだよ……」
「ルルーシュ……」
「金や地位がなければ、お前を守れない」
ルルーシュはとても悔しそうだったが、C.C.は幸せだった。まさに、冥利につきる。
以下略
AAS
8
:
名無しNIPPER
[sage saga]
2021/04/05(月) 23:57:23.58 ID:ZtGxStuEO
「ルルーシュ、流石の私も手が震えるよ」
眼下に見下ろすは、妻のためにクタクタになった亭主のお尻。妻の手にはタバスコの瓶。
しかし、妻より先に寝てしまった夫が悪い。
以下略
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