17:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:56:02.03 ID:S9RXO5Th0
  
 『こんな、こんな事ならいっそっ……』 
  
  
 震える彼女の声が、その先を紡ごうとした時。 
18:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:56:57.00 ID:S9RXO5Th0
  
  
 次に、冷たいコンクリの床を這うよう映す映像。 
  
 画面の手前側から真っ黒な何かが水たまりのように広がっていく。 
19:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:57:30.33 ID:S9RXO5Th0
 ・ 
 ・ 
 ・ 
  
 「……………………っ!?」 
20:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:58:02.19 ID:S9RXO5Th0
  
  
  
  
 捨てたのではない。 
21:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:58:40.65 ID:S9RXO5Th0
  
  
 「あなたは……どうしたいの?」 
  
 それは、頷きだけじゃ答えられない問いかけ。 
22:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 01:59:37.48 ID:S9RXO5Th0
  
  
 「私の欲しいものを持っているあなたが妬ましかった」 
  
 努力と才能。 
23:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:00:17.78 ID:S9RXO5Th0
 大切だから。 
  
 失う痛みが怖いから。 
  
 だから忘れた。 
24:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:00:55.64 ID:S9RXO5Th0
  
 「だからもう、一人で泣く必要なんてないわ」 
  
 霞のような彼女を潰してしまわないように優しく、それでも確かに力を込め抱きしめる。 
  
25:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:01:29.99 ID:S9RXO5Th0
 それはきっと虚勢だ。 
  
 大丈夫だなんて言えるわけが無い。 
  
 だけど、だけどだ。 
26:名無しNIPPER[saga]
2021/04/18(日) 02:02:30.05 ID:S9RXO5Th0
 ・ 
 ・ 
 ・ 
  
 「ただいまー!」 
33Res/35.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20