ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ダドリー・ダーズリー「……わかった」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:35:26.28 ID:43J6jqUVO
「今のところ実害はないにせよ、叔父さんと叔母さんはそのうち僕に責任転嫁しそうだからね。お前の杖から出る毒電波が、だとか」
「杖、あるのか?」
「あるよ、ほら」

ハリーがポッケから杖を取り出して見せると、ダドリーはスゲーと目を輝かせた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:37:25.26 ID:43J6jqUVO
「パパの会社の社員の子供が周りに集まっていつの間にかリーダーみたいになってさ」
「裏で陰口を言われたりした?」
「そんなのは別に気にしない。ただそいつらが、クラスメイトをいじめてるのを客観的に見たら……もう学校に行くのが嫌になった」

その説明になるほどと、ハリーは納得した。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:38:59.24 ID:43J6jqUVO
「挙句の果てにあんなに蔑ろにしていたお前を頼って自分の息子に魔法までかけさせようとするなんて、パパもママもどうかしてる」

ダドリー。少し見ないうちに見違えたよ。
通常、親の庇護下に置かれた子供が自分の環境に疑問を持つことは難しい。それが現実。
それだけが現実であり、学校生活という環境の変化によって、違和感を覚えたのだろう。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:41:12.49 ID:43J6jqUVO
「お前が英雄とはな」
「君が引きこもりとはね」

口に出すと、なんだかおかしくってふたりして噴き出した。久しぶりに、笑い合った。
久しぶりすぎて、最後にふたりで笑い合ったのがいつだったかは定かではないが、こうして仲良く笑い合った頃が、確かにあった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:44:25.21 ID:43J6jqUVO
「ともあれ、お前は楽しそうだな」
「まあね」

ハリーが学校生活を謳歌していることについてダドリーは僻んだり妬んだりしなかった。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:47:37.37 ID:43J6jqUVO
「ホグワーツに入学するまでは、僕も毎日なんのために生きているのかわからなかった」

ダーズリー家での日々は過酷で、ハリーの生きる気力を削いでいった。無意味な日常。
無価値な自分。先が見えない未来。だけど。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:50:28.20 ID:43J6jqUVO
ようやく部屋から出てきたダドリーを連れて1階に戻ると、そこはなんと地獄絵図だった。

ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅ〜っ!

「ぬおおおおおおおおおおおっ!?!!」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:51:16.33 ID:43J6jqUVO
おまけ

マルフォイ家の屋敷の一室で、まるで妖精のように美しい少女が物憂げに溜息を吐いた。

真夏の陽気すらもひんやりとした冷気に変える銀色の妖精の名前はドラ子・マルフォイ。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:53:30.30 ID:43J6jqUVO
「ハリーはどうしてる?」
「ハリー・ポッターは現在……」
「あのお方には『卿』と付けなさい」
「はい、心得ました」

以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:56:50.69 ID:43J6jqUVO
「なんとかして助けてあげられないかしら」

ドラ子には決して悪気があったわけではなく、ハリーが帰ってきてもおかえりも言わないダーズリー家に天罰を下しただけだった。
それがかえってご主人さまを苦しめている現状を憂い、どうにか打破しようとしていた。

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2021/04/19(月) 21:59:24.67 ID:43J6jqUVO
「間抜けなウィーズリーのことだから空飛ぶ車をマグルに目撃される可能性が高いわね」
「おっしゃる通りで」
「念のため、お父様に頼んで魔法省の役人に根回しをしておくわ。それで、ドビー」
「はい、お嬢様」

以下略 AAS



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