小林「あなたは……誰ですか?」トール「……えっ?」【小林さんちのメイドラゴンSS】
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50: ◆bhlju8wMK6[saga]
2021/06/07(月) 22:34:25.83 ID:RHOuKnm+0

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【学校・カンナが通う教室の窓の外】

バササッ

トール(認識阻害ON)「……着きました。今は授業時間中ですか」バサバサ

トール「さて、教室内にカンナは……」ジーッ

トール「……ここも、いませんか。というか、彼女の机すらない……」ハア

トール「……あ、でもカンナと親しいあの子…… 才川?さんはいる様ですね」



教師「――はい、それでは次の文章。才川さん、読んでもらえる?」

才川「はい!……『はじまりは、何だったのだろう? 運命の歯車は、いつまわりだしたのか?』」

才川「『時の流れのはるかな底から その答えをひろいあげるのは、今となっては不可能にちかい……』」
 
才川「『だが、たしかにあの頃のわたしたちは、おおくのものを愛し、おおくのものを憎み…… 何かを傷つけ、何かに傷つけられ……』」

才川「『それでも、風のように駆けていた 青空に、笑い声を響かせながら……』」

クラスメイト達「おおー……」「きれーな声……」「すげー……」パチパチパチ

教師「……はい、ありがとう才川さん。とても良い読み方だったと思います」

才川「ありがとうございます」ペコッ



トール(……あの子、あんな利発そうな子でしたっけ?
    何か普段はもっとこう『ぼへええ』って印象の、マタンゴの胞子を吸って錯乱した者の様な感じだった覚えが……)

トール(うーん…… まあ、今は関係ないかな? 他に特別変わった所は無い様だし……)ジーッ

トール「ここも空振り……ですか」ハア

トール「いえ、落ち込んでなんていられません! ここに手がかりがないなら、とっとと別の場所に捜索に行きましょう!」グッ

トール「他に思い当たる所というと…… うーん……」ムムム

トール「……よし! 次は近場で人も多い、商店街に行ってみましょう! 何か一つでも、手がかりとなるものがあれば……!」

トール(――待ってて、小林さん! カンナ!)バササッ




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