結標「私は結標淡希。記憶喪失です」
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782: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/15(土) 23:58:46.69 ID:2z6G7I5Go



垣根「ふっざけんじゃねえぞあの女ァ!! どうせ死ぬならちゃんと全部セリフ言い切ってから死ねよコラッ!!」



 垣根は投げ入れるようにズボンのポケットに端末を入れて、上条の方へと目を向ける。


垣根「チッ、今日のところは預けておいてやるよ。一方通行の命、そしてテメェの命もな」


 垣根の背中から再び三対六枚の白い翼が出現する。
 力を溜め込むように、下方向へ向けて翼が折れ曲がっていく。


垣根「テメェのことは覚えたぜ? 上条当麻ァ!!」


 ドォンッ!! 垣根は力強く翼を羽ばたかせ、天井を突き破って上階へ飛び去っていた。




上条「……、終わった、のか?」


 上条は呟く。
 垣根が電話でどんな話をしていたのかはわからないが、あの様子ならここにはもう戻ってこないだろう。
 これで二人への脅威は去った。つまり、上条は役割を果たせた、ということだ。


上条「…………あ、れ?」


 それを実感した瞬間、上条の身体に強い疲労感が襲いかかってきた。
 ただでさえ満身創痍の状態だったのにも関わらず、垣根との戦闘でさらに傷を負い、上条の身体は完全に限界を迎えている。


上条(……や、べえ、意識が……)


 上条は硬く冷たい通路の床へと倒れ込んだ。
 そのまま重い目蓋を閉じて、意識が消え、脳を休息状態へと移行させる。


 タッ、タッ、タッ。


 床の上で寝ている上条の元へ、ステップを踏んでいるかのような軽い足音が近付いてきた。
 足音の持ち主は少女だった。
 蜂蜜のような淡い色をした金髪は、肩の辺りからニつに分かれて腰辺りまで伸びている。
 星のような形をした十字が入った金色の瞳。御坂美琴と同じ名門常盤台中学の制服を着用している。
 しかし、その体型は明らかに中学生離れしたものだった。

 少女は上条当麻の元へ立ち、見下ろすように彼を見る。
 数秒だけ彼を見つめて、にへら笑いを浮かべながら呟くように言う。



??「――お疲れ様。ヒーローさん♪」



―――
――






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