821: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:46:13.20 ID:7SptLiMdo
  
  
 結標「……自由の身、か」 
  
  
822: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:47:17.84 ID:7SptLiMdo
  
  
 結標「ねえ」 
  
 一方通行「あン?」 
823: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:48:07.57 ID:7SptLiMdo
  
  
 一方通行「オマエに言われて気付いた。約束だとか、自己満足だとか、罪滅ぼしだとか、そンなモンただの建前だった。オマエを助けたかった理由はもっとシンプルだったンだ」 
  
  
824: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:48:50.65 ID:7SptLiMdo
  
  
 結標「一つだけ言わせて」 
  
  
825: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:49:34.86 ID:7SptLiMdo
  
  
 一方通行「…………」 
  
  
826: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:50:12.93 ID:7SptLiMdo
  
  
  超能力者(レベル5)第五位の少女、食蜂操祈は一方通行たちが入院している病院の屋上にいた。 
  欄干に肘を乗せ、落下防止用の高柵越しに、対角線上の位置にある一室、結標淡希がいる病室の中を眺めている。 
  視力2.0あっても部屋の中を詳細に見ることは難しい距離だったが、彼女にとっては関係ないことだった。 
827: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:50:50.83 ID:7SptLiMdo
  
  
  我ながらいい加減な発言だな、と食蜂は笑う。『心』などと言う少年と大差ない。 
  奇跡とは起きないから奇跡という。万が一どころか億が一の確率でも起きない事象なのだと食蜂は考えている。 
  たった数百しかないサンプルでそうやって決めつけるなんて、奇跡なんてそこらに転がっていると言っているようなものだ。 
828: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:51:27.10 ID:7SptLiMdo
  
  
 一方通行「しかし、オマエ本当にイイのかよ?」 
  
 結標「なにが?」 
829: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:52:13.62 ID:7SptLiMdo
  
  
 一方通行「何かおかしいこと言ったかよ?」 
  
 結標「甘いわよ一方通行。大方、私が貴方のことを好きとか言ってしまったから両想いだと勘違いしてしまったんだろうけど、私は同じくらい貴方が嫌いとも言ったわよね?」 
830: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:53:17.20 ID:7SptLiMdo
  
  
  ざわざわと病室の外の廊下から騒がしい声が聞こえてきた。 
  その声の数は二人三人とかじゃなく一〇人近い数はいる。 
  男の声や女の声。大人の声や子供の声。 
831: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:55:01.40 ID:7SptLiMdo
  
  
  一方通行たちが入院している病院の遥か上空。 
  何もないはずの空中に足を付けて立っている少女がいた。 
  風斬氷華。彼女の体には弾けるような音と共に白い電気のようなモノが小さく走っている。 
832: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:55:39.30 ID:7SptLiMdo
  
   
  一方通行と結標淡希はファミリーサイドの二号棟のエントランスにいた。 
  あれから一日経ち、二人は自宅療養ということで退院となった。 
  退院時間は午後の三時だったが、いろいろあって出るのが遅れ、ここに辿り着いたのが午後五時過ぎとなっていた。 
833: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:56:20.69 ID:7SptLiMdo
  
  
 結標「……なるほどね。大方、私たちの退院パーティーでも開いてくれるのかしら?」 
  
 一方通行「そォいうこった。面倒臭せェ」 
834: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:57:10.99 ID:7SptLiMdo
  
   
 一方通行「何言ってンだこのクソアマはァ!? ンなわけねェだろォが!」 
  
 結標「ひっ、い、いや、だって言った瞬間、目逸らしてたし」 
835: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:57:46.26 ID:7SptLiMdo
  
  
  私は結標淡希。九月一四日以降の約半年間の記憶がない、記憶喪失です。 
  
  この半年間『私』がどう過ごし、何を思っていたのかなんて私はわからない。 
836: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 18:58:54.91 ID:7SptLiMdo
  
  
  
  
  
837: ◆ZS3MUpa49nlt[saga]
2022/01/22(土) 19:00:19.20 ID:7SptLiMdo
  
 というわけで終わり 
 もうおらんやろけどここまで読んだ人がおったらおつかれした 
  
 伏線回収のための蛇足編のはずなのに全回収どころか逆に増えてるような気がするのは気のせい 
838:名無しNIPPER[sage]
2022/01/28(金) 22:24:04.62 ID:bbKW2wlIo
 お疲れ様でした、懐かしいssがまた見れて大満足です。 
 また禁書ss書いてくれること祈ってます 
839:名無しNIPPER
2022/03/24(木) 13:20:31.28 ID:TVWxG2Hf0
 何となく気になって見返してたけど、続きが更新されてたなんて思いもしませんでした。  
  また続きが読みたいです 
840:名無しNIPPER[sage]
2022/03/24(木) 20:35:32.61 ID:DbHM2PgY0
 死体蹴りとは陰湿だなぁ…… 
841:名無しNIPPER[sage]
2022/05/06(金) 18:07:26.43 ID:rYV+b3N9O
 SS避難所 
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