【まどマギ】小巻「見滝原中に転入したわ」【安価あり】
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890: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2022/02/06(日) 19:09:30.52 ID:Ga/W2aP30


 そう言ったキリカを筆頭に、あたし以外にも足止めや防御に使える手段は持っている人はいくらかいた。

 上空を無軌道に移動するワルプルギスを追っていた時には発揮できなかったキリカの魔法も、すでに追いついて地面に磔にした今なら使える。


 そして、感じたのは風圧。あの捥ぎ取られたビルが迫ってきた時に似た、それよりも“直接的”に肌に感じる暴力的なまでの気流の動き。

 それがワルプルギスの夜から湧き起ころうとしている。


小巻(コイツ、あたしたちを吹き飛ばして無理にでも距離を取る気……!)


 一点だけを狙ってくる炎とは違う。わかっている『だけ』じゃ対処はできない。


小巻(いや、さっきまでの態度見てればそれは思い上がりか。コイツもやりたいようにしてるだけ)


 しかしその動作に災害級の威力が伴う。

 強力な浮力を纏って再び宙へ浮かび上がろうとする魔女を、今度は細かく編み込むように張られたリボンが障壁となって押さえ込んだ。


 こっちも極めて強引な方法で、魔女から生み出される浮力を無に留めた。

 それならやることはひとつ。今のうちにまた地面に押しつける。今度こそ迷いなく全力で斧を振るった。


 ……あたしじゃ今回はこうはできなかった。攻撃の後、一旦グリーフシードを取り出して魔力を補充する。

 この規模のバリアとなると、一人じゃ連続して張るには消耗が激しすぎるから。


杏子「そうだ、お前はまだ寝てろっ!」


 みんなの猛攻はまだ続いた。文字通り袋叩きってやつだ。ただし、魔女のほうもこれで起き上がることを諦めたってわけじゃなかった。


 鎖状に連ねて作られた赤い障壁が風を防ぐ。

 杏子が生み出したものだった。


ゆま「えいっ!」


 それからゆまが武器を振りかぶって叩きつける。

 上から下へ、再び地面まで押し付ける衝撃波が響く。


 この一方的な状態を実現できたのは、絶対に逃さないというみんなの執念の結果といってもよかった。

 しかし――いくらみんなの力を集めたとしても、どうしようもできない『切れ目』はきてしまう。




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