キョン「やっぱり佐々木は天才だよ」佐々木「キミには負けるよ、キョン」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:05:02.00 ID:ibjZ0HLOO
「なあ、佐々木」
「なんだい、キョン」

隣の席の女子に気安く話しかけられる幸運を中学時代の俺が正しく理解していたかどうかは、進学先の北高の席順の都合により今となっては定かではないとしか言えないのだが、それでも後ろの席に鎮座する涼宮ハルヒに話しかけるよりはよっぽどハードルが低かったように記憶している。

「どうして髪を伸ばさないんだ?」

そんな俺であるが女子の髪型についてあれこれ詮索することに忌避感は覚えていなかったようで、ズケズケと図々しく年中ミディアムボブの佐々木に対してそんなことを訊ねた。

すると佐々木は困ったように眉尻を下げて。

「キョン。僕はキミとそれなりに親しいつもりだし、同じようにキミが思ってくれているからこそ、そんな風に軽々しく女の子の髪型について言及したのだということはむしろ喜ばしく思うけれど、それでも、もう少し言葉を選んで欲しかったと思わざるを得ないよ」

中学の頃の俺の語彙力など今にも増して壊滅的なことは言うまでもなく、だから言葉を選んで欲しいと言われてもそもそも選択肢すらないのだから選びようがないとしか言えん。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:09:18.10 ID:ibjZ0HLOO
「無から有を生み出すのは人の特権だよ」

考えることを放棄した俺に対して、佐々木は辛抱強くそう諭してきた。具体例を挙げる。

「たとえば音楽。譜面に音符を並べていく様は恐らく、高度な知性を持つ地球外生命体の目から見ても不可思議に映るだろう」
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:11:57.07 ID:ibjZ0HLOO
「まあ、センスは磨くものらしいからな」
「後ろ向きよりは前向きなほうが印象はいいけれど、センスはともかく才能は磨けない」

さっそく後ろ向きなことを言う佐々木に対して俺は少しだけムキになって反論した。

以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:13:57.59 ID:ibjZ0HLOO
「頃合いのようだしそろそろ話を戻そうか」
「え?」

思わず間抜けな声が漏れてしまった。
俺の百面相を楽しむように佐々木はくつくつと喉の奥を鳴らしてから気を取り直すように髪型の話題、つまり本題へと移る。
以下略 AAS



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