キョン「やっぱり佐々木は天才だよ」佐々木「キミには負けるよ、キョン」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/08/13(金) 00:16:52.57 ID:ibjZ0HLOO
「悪かったな。嫌な思い出を思い出させて」
「謝罪は結構。今となっては良い思い出さ」

当時のセンチメンタルな自分を鼻で笑い飛ばすように、いつもの調子で佐々木は語る。

「人を真似ることには限界がある。それはあらゆることに共通している。容姿は言わずもがな、先に述べた作曲も然り、学問においてもどれだけ先人の知恵を吸収しようがその延長線上の境地に辿り着ける者はほんのひと握りだけ。そこに至れる選ばれし存在はセンスなどという陳腐なものを足掛かりとするわけではなく確固たる才能と弛まぬ努力により偉大なことを成し遂げると、そういうわけさ」

まるで何度も人生をやり直したかのような佐々木の達観に、俺は反論出来なかった。
ふと、SFじみた妄想をしてしまう。もしかすると佐々木は遠い将来で何か偉大なこと、たとえばタイムマシンなんかを完成させて、中学時代に戻って人生をやり直そうとしているのではないか、などと疑惑を抱いていると。

「キョン。僕はどのみち成し遂げられない」

見透かしたようなことを言って、今度はハッキリと自嘲げに佐々木は喉の奥を鳴らした。

「何度やり直そうとも、ひとりの人間に出来ることは限られている。ああ、トライ&エラーが無意味だと言っているわけではないよ。たとえばキミが近い未来で何度も夏休みを繰り返す羽目になったとしても、最終的にはその状況から脱することが出来ると僕は確信している。何故ならば、キミがキョンだから。キョンという人間はそれが出来るからだよ」

人間に出来ることが限られているならば、こんなに的確な未来予知が可能とは思えないのだが、先程の佐々木が未来人という仮説が正しいのならば、さもあらんといった具合だ。


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