STEINS;GATE 起点消失のエンドライン
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2021/10/21(木) 22:41:44.02 ID:GjcLOZsx0
 「そうだね、でも確かめる方法はないよ、だって、オカリンおじさんはタイムマシンに関わることをするつもりはないんでしょ?」 
  
 鈴羽は諦めたような調子でそういった。 
  
 「ああ。だが鈴羽、タイムマシンがなければお前は未来に変えることはできない。そうだな?」 
  
 鈴羽は言葉に詰まって、何かを口ごもった。 
  
 「やっぱりわかっちゃうよね。私がそうして欲しくてオカリンおじさんに声をかけたって。」 
  
 俺はうなずいて、無論だなと言った。 
  
 「本当は迷ったんだ、今の幸せそうなおじさん達にタイムマシンを作ってほしいと頼むことはおじさんが苦労して導き出したシュタインズ・ゲートの選択を台無しにしてしまう可能性があるからさ。私だって、もうあんな未来はごめんだから。」 
  
 あの時、俺がDメールを取り消さなかった世界線の、父に会うこともできずに旅立っていった鈴羽が、別れを口にしたときの何かに期待するような、 
 それでいて確かに、何かを諦めてしまっている、それとまったく同じ達観した表情を俺はまた目にしている。 
 今思えば、あれは必要なことだったが、あのとき彼女の想いを踏みにじった後悔は今もなお2年という歳月が流れたにもかかわらず、ありありと思い出せた。 
  
 「勘違いするなよ、ラボメンナンバー008阿万音鈴羽。俺はタイムマシンを作ることをしないとは言ったかもしれないが、お前を助けないと言った覚えはない。いついかなる時も、この鳳凰院凶真はラボメンの仲間であるお前を見捨てたりはしない。だから、もったいぶるな、正直に起こったことを話せ。お前はまだ隠し事をしているんだろう?」 
  
 俺は随分と久しぶりにその名を口にし、ニヤリとサディスティックな笑みをこの頬に浮かべた。 
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