23:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 21:33:57.00 ID:u50g9+A20
   
  
 「あっ、カナデちゃんニーハオ〜」 
  
  
  朗らかでなんだか間の抜けた声に顔を向けると、金髪の女性が小動物のような笑みを浮かべていた。 
  
  
  フレちゃん――フレデリカだった。 
  
  
 「フレちゃん、その挨拶でいいの?」 
  
 「えー? 時代はワールドワイドだよー」 
  
 「じゃなくて。一応フランス人のハーフなんでしょ? その挨拶は中国じゃないかしら」 
  
 「そっかー、アイドルだもんねー。キャラって大事か」 
  
 「ええ、私達みたいに、デビューしたてだと特にね」 
  
  
  フレちゃんは私や文香と同時期にデビューした子の一人だった。 
  
  他にも友紀と仁奈ちゃんの計5人が同時期にデビューしていた。 
  
  
 「カナデちゃん、グーテンモーゲン!」 
  
 「それはドイツ」 
  
  
  そういうマイペースで自由な所が、フレちゃんのキャラといえた。 
  
  エレベーターがやってきて、フレちゃんと一緒に乗り込んだ。 
  
  同時期にデビューしたことも有り、仕事で一緒になることも多かった。でも、今度の仕事はフレちゃんと一緒ではなかったと説明されていたけど。 
  
  話を聞いたところ、フレちゃんはレッスンだった。 
  
  
 「聞いてよカナデちゃんー。この前司会の人にさー、喋ってなかったらもっと素敵とか言われちゃってさー。酷くない?」 
  
 「ええ、ホント。フレちゃんは喋ってこそなのに」 
  
 「さっすがカナデちゃん。フレちゃんの魅力分かってるー。お礼にハイ、飴ちゃんあげる」 
  
 「これ、チョコレートだけどね」 
  
 「細かいこと気にしなーい。口に入れて食べられるんだから、同じ同じ」 
  
 「その範囲だと、殆どの食べ物は同じになるわよ」 
  
 「ガムだけは別だからね。飲みこんじゃ駄目だよ、カナデちゃん」 
  
 「はいはい」 
  
  
  
  
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