速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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73:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:17:34.94 ID:u50g9+A20


 文香が出れなくなったことによって慌ただしかった舞台裏が、さらに慌ただしくなった。

 フレちゃんたちは、応援をしてくれるといった。


 他の子たちも、迷惑がかかるかもしれないのに、みんながみんなの形で、応援してくれた。

 プロデューサーもやれる限りをやってくれると。

 スタッフさんたちも、驚くくらい私のわがままに付き合ってくれていた。


 トレーナーさんも。

 出番までの間、私のダンスの出来を見てくれている。

 新しいものなんかできやしない。

 デビューライブの時に使ったダンスのレッスンを短い間でもしっかりと仕上げるのを手伝ってくれた。


 何度かの振り付けの通しの後、プロデューサーが入ってきた。


「奏、いいかな」


 プロデューサーについていった先は、更衣室だった。プロデューサーが持ってきたのはデビューの時に来ていた衣装。でも、この衣装は本来使う予定ではなかった。どうして会場においてあるのか。


「なんでこの衣装があるの? まさか、この間に事務所から持ってきてくれたの」

「そんなことしなくてもよかったよ。衣装は予め持ってきてたんだから」

「えっ?」

「実はアタシが、衣装の人にもってきてもらうようにお願いしてたんだ」

「どうしてこんなことを」




「さあ、どうしてかな……多分だけど、諦めがつかなかったのかもしれない」


 そもそも断ったのはアタシだけど。そう自虐めいたプロデューサーに、私は頭を下げた。





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