速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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77:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 23:27:27.40 ID:u50g9+A20


 歓声とペンライトの波のはざまを、私は泳ぎ続ける。


 伴奏に入って体でリズムをとりながら、心のリズムも取り返そうとする。

 でも続きは抑えようとしてもダメだった。

 最初から、心がすべて曲に乗っていった。


 一瞬、私は抵抗をしようとしたけど、違うと、小さく首を振った。


 そうじゃない。魅せるんだ。

 今は、ありのままの自分を。


 そうしなければ、もっと、もっと先へと行けないから。




 さらけ出す。自分のすべてを!

 自分自身から生まれる感情の高鳴りが怖くなる。

 どこまで行けるのか、私は、自分がどこまで行けるのか、もっと知りたかった。


 もっと行っていいんだと、分かりたかった。


 そして、自分自身が、主役でいいと、信じたかった。


 そしてもし、自分自身を見つけることができたら、今度こそ、その手を放したくはなかった。




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