確信を得てしまったダイワスカーレット
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10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/11/28(日) 06:59:19.79 ID:vPGydQ4T0
「アタシほどじゃないけど、なかなかカワイイじゃない? 胸も大きいし、太ももの肉付きも良い。髪の毛は長い栗毛色。こういうのが好きなの?」

「いえ、あの……」

 床に座っているこちらに対して、スカーレットは短いスカートで足を組んでいる。
 スカーレットの方を見ようとすればどうしてもその眩い太ももが視界に入ってしまうので、どうにも居心地が悪い。
 そんな俺の悲しい性《さが》を知ってか知らずか、スカーレットは嗜虐的な笑みで見下ろすのだった。

「しっかしこの女優、見たとこ二十四、五歳でしょ?」

「……プロフィールだと、二十二歳です」

「信じてんじゃないわよ。まあ本当に二十二だとしても、これはおかしいでしょ」

 シークバーをさわったのか、ヘッドホンから漏れる内容が一気に変わる。

「学生服に……今どきブルマ? この人たちも大変ね。アンタみたいな教え子に欲情する変態のために、こんな服を着て頑張ってるんだから」

「ち、ちが……っ!」

「違うの?」

「……ッ」

 冷たく見下ろすスカーレットの横顔に、心臓を鷲掴みにされる。
 血を連想させる酷薄な紅い瞳。普段は幼く見える八重歯が、今は妖しく濡れて輝いている。

 怖いのに、唾をのむほど恐ろしいのに――ゾクリとして、生唾を飲む。
 俺は今……何を考えてしまってる。教え子の担当バに、いったい何を期待しているんだ。

「……してほしいんでしょう?」

 椅子を回転させ、彼女は俺を正面から見据える。
 
「アタシに、こういうコトを」

 はち切れんばかりの太ももに目を奪われる。太ももの奥を隠しているスカートはまくれ、今にもその深層をさらけ出しかねない。

 彼女は組んでいた足をほどこうとした。それに安堵と悲しみを覚えていると、その足先を床に下ろすことなく俺へと差し出す。

 指が俺の胸を優しくなでる。もどかしい弱さで胸をつく。

 足先はゆっくりと登っていき、紺色の靴下が俺の喉に差しかかった時、ついに見えた。
 彼女の秘所を覆う布地はピンク色だった。

「スカーレット……ごめん、謝るから。もうこんな事は……止めてくれ」

「謝る? 謝るって何を?」

 鈴を転がすような彼女の声。いつもなら耳にして心地よい声音も男をなぶるためのものであり、俺のせいで申し訳ないという想いと、このままひれ伏したいという邪な願いが湧き起こる。

「謝るからには何か悪いコトをしたっていう自覚があるんでしょ? まさか何が悪いかわからずに、ただ謝っているわけじゃないでしょ」

「……ああ」

 俺のトレーナー人生も今宵限りか。
 トレーナー失格の俺に引導を渡してくれるのが、最初で最後の担当バなのは感謝しかない。


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