悪役令嬢「あんたはあたしみたいだね」腹黒王子「あはは。キミが僕なんだよ」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/02(日) 23:02:17.80 ID:nMXYXkpFO
「まったく……自分から言い出した癖に」
「あんた、最初からわかってたでしょ?」

教室から連れ出して、人気のない階段の踊り場で詰問すると、王子サマは素直に答えた。

「もちろん予想はしていたよ。でもなにぶん、僕は誰かと付き合った経験がないから実際にどう感情が揺れるかはわからなかった」

何も、言えなかった。経験値が少なすぎる。

「なんとか制御しないといけないみたいね」
「それは無理無理。人はそうは出来てない」
「なによ……あんたもさっきみたいにあたしが他の男と話してたら嫌だって思うわけ?」

なんの気なしに訊ねると、王子は抱きつき。

「嫌だ……当たり前だろ」
「……そっか」

不覚にもときめいた。好きになってしまう。

「キミは本当に悪い奴だね」
「あたしも悪いケド、あんたも悪い」

どちらも悪党。だからものすごく心地よい。

「でも、駄目なんだ!」
「また少年漫画モード?」
「あんたといちゃこらしてても実りはない」

身も蓋もないことだ。しかしそれが現実だ。

「このままだとあたしの初チューも危うい」
「それは僕も御免だ」
「嫌がるあんたに唇を押しつけたい」
「もう捕まったほうがいいんじゃ……」

自首しようか。毎日差し入れに来て欲しい。

「ていうか、あんたはしたくないわけ?」
「え? したいよ。したいに決まってる」
「よし、離れろ。もう金輪際近づくな」

ちゃっかり抱きついたままの王子を引き剥がす。というか、あたしが拘束していたらしかった。いや、たぶん、連帯責任だとは思う。


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