馬場このみ「シクラメンの花の香」【ミリマスSS】
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20: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2022/01/06(木) 23:07:03.09 ID:dy8vOWdb0
「ねえ、P」
「どうした?」
「私、Pと飲むの楽しいし、好きよ」
「……そっか」
彼はぷいと顔をそむけた。
しかし、私は知っている。この仕草は、Pが照れを隠すときにするものだ。その証拠に、表情は見えないが、彼の耳が桜色に赤く染まっている。
「何? もしかして照れてるん?」
「……しゃーしい。酔いが回ってきただけっちゃ。お前も大概飲んでるんやけ、早う帰って寝れ」
「……ふふっ、はいはい」
彼は足早に歩き始め、私も駆け足で付いていった。
本当のことを言えば、飲むことだけではないのだけれども。少し誤魔化して言ってしまったのも、言った手前、私の顔も一層熱く感じることも、酔いが足らなかったせいかもしれない。
もちろん、本当に伝えたいことは、酔いに任せずきちんと伝えたいけどね。
飲み屋街を抜け出すと、辺りは冷ややかな冬の空気が流れていた。その冷たさが、火照った頬に心地よく感じた。
……つづく?
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