トレーナー「ひたいに油性ペン(極太)で“オグリ”と書かれた」
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8: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/01/09(日) 06:41:07.86 ID:7TLsjr9y0
※ ※ ※



「タマモクロスはどこだろうか……?」

 オグリの昨日の問題発言は、相手がタマモクロスだったおかげで何とか穏便に済ませる事ができた。しかし次もうまくいくとは限らない。
 同室で同性の、オグリからの信頼も厚いタマモクロスに説明してもら――

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉっっっ!!」

「っ!?」

 タマモクロスを探していると、角の向こう側から少女の絶叫が轟いた。
 それは悲しみと驚き、そして雄々しさに満ち溢れ、少女のモノだというのに“男泣き”と評せるものだった。

 まさか誰かがケガをして、こらえ切れないほどの痛みに口から熱を吐き出しているのだろうか?
 確認しようと慌てながら角を曲がるとそこには――

「ウチは、ウチは穢されてしもうたああああああぁぁっっっ!!」

「た、タマ……?」

「……何だこれは」

 首を両手で抑えながら膝から崩れ落ちているタマモクロスと、その隣でうろたえているオグリの姿がそこにはあった。

「オグリ、タマモクロスはケガをしたのか?」

「ケガ……? いや、タマはケガなんかしていない」

 痛がっているようには見えなかったが、あまりの痛みで混乱している可能性もあったため確認する。
 しかしタマモクロスが両手で抑えていてよく見えないが、その手からは血がこぼれ出ていない。
 オグリが言うようにケガはしていないようだった。

 では何故タマモクロスが、あの気丈なウマ娘が悲しみを顕《あら》わにしているのか?
 
「おどれがぁ、おどれが朴念仁のせいでウチがぁっ!!」

「……俺のせい?」

 意外な事に俺のせいらしい。しかしそう言われてみても、ここ数日の自分の行いを顧《かえり》みてみたが、少女が男泣きするような原因を作った覚えはまるでなかった。かといってタマモクロスの悲痛な嘆きが嘘とも思えない。

「なあオグリ。ここで何があったか知っているか?」

「……実は、タマには練習に付き合ってもらったんだ。初めてだからな」

「練習? 何のだ?」

 どうもこの事態を引き起こしたのはオグリのようだ。
 いや、泣き崩れるタマモクロスの隣にいるのだから普通に考えれば彼女が怪しいに決まっているのだけど、オグリがタマモクロスを泣かせるなんてあまりにも予想外であった。

「うん。やってみせるから、少し屈んでもらえるか」

「ん、こうか?」

 オグリがタマモクロスを泣かせてしまった事に驚いていた俺は、言われるがままに体を傾ける。
 タマモクロスが首を抑えながら泣いているのに、無防備に首をさらしてしまう。
 そんな俺にオグリは体を寄せると――

――チュ、チュウウウ、チュパッ――

 艶めかしい音を俺の首で奏でてしまった。


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