トレーナー「ひたいに油性ペン(極太)で“オグリ”と書かれた」
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9: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/01/09(日) 06:42:06.15 ID:7TLsjr9y0
「オ……グリ?」

「……うん、ちゃんとできた。キミの味はしょっぱくて美味しいな」

「何を……した?」

「タケさんに聞いたんだ」

 突然の、そしてあまりの事態を受け入れられずにいる俺に対して、オグリは誇らしげに胸を張りながら言う。

「キミは私のモノだ。他の女の影を追いやるにはどうすればいいと尋ねたら、こうすればいいと」

「ウチの初めてがあああぁっっ!! このバカップルどものせいでえぇぇっっ!!」

 泣き崩れていたタマモクロスがついに地面をたたき始めた。彼女の手で覆われていた首が明らかになる。
 彼女の首に付けられた“跡”が、自分にもあるのだと理解してしまった。

「トレーナー、キミは私のモノだ。誰が相手であろうと、絶対に渡しはしない」

 そう静かに、しかし力強く彼女は言い切った。

「……っ」

 その笑顔の、なんと輝かしいことだろう。
 嬉しくって、誇らしくって仕方がない――そんな幸せそうな笑顔を、俺に見せないでほしい。

 ずっと、見ていたくなるから。

 君がターフを駆け巡る間だけではなく、やがて走るのを終えたあとでも、すぐ隣で見ていたいと願ってしまう。
 その願いはあまりに輝かしいけれど、許されるものではない。だから目を背《そむ》けなければならない。

 けど背けても無駄だ。
 この輝きは網膜に、そして脳裏に焼き付いてしまった。未来永劫忘れる事はできない。
 どんなに逃げようとしても彼女に差されてしまう。

 そのてらいのない笑顔《かがやき》を見せられて、俺は悟ってしまった。
 その場しのぎの嘘でもなんでもなく、俺は本当に――彼女のモノになってしまったのだと。

「このバカップルどもがあぁっ、さっさと結婚せい!」

 タマモクロスが祝福する中で、俺はただただオグリの笑顔に魅入られるのであった。





〜おしまい〜


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