19: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/04/24(日) 05:08:14.52 ID:bGZxlAIa0
 ――お・ま・け 
  
  ※閲覧注意 心の弱いノンケは読まないでください 
  
  
  
 『一目ぼれから始まった 毎日が夢のようです』 
  
  スマホが、鳴っている。 
  
 『もっと もっと一緒にいたいなぁ』 
  
  連絡が来ていると、まゆが教えてくれている。 
  けどどうしてだろう。手を伸ばせば届く位置にあるスマホが……便利で欠かす事の出来ないスマホが――今はひどく恐ろしく、忌まわしいモノのように思える。 
  
 『運命の出会いなんて』 
  
  スマホが、鳴っている。 
  不気味に鳴り続けている。 
  俺はそれから、目を逸らせない。 
  
 『別に信じてはなかったの』 
  
  震える手が、勝手にスマホへと伸びていた。 
  手に取るなと、誰かが叫んでいた。ダメだダメだという悲鳴が――いや、絶叫が頭の中でグワングワンと鳴り響く。 
  
 『なんて』 
  
  その絶叫は誰のモノなのか、少しずつわかってきた。 
  だって伸ばした手がスマホへと近づくたびに、その叫びは喉が裂けるように血を帯びてくる。 
  
  これは、警告。 
  死んでしまうと――このスマホを手に取れば、自分は死んでしまうという理性からの警告。 
  
  それなのに、わかっているのに、嫌なのに――俺の震える手は、勝手にスマホを手にしていた。 
  
  
  
  
  
 『 カ ミ サ マ ゴ メ ン ネ 』 
  
  
  
  
  
 「…………………………もしもし」 
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