星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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12: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:43:15.84 ID:Sev9O2YP0
驚いたように眉を動かす男に向かって、溜め込んだ怒りを思い切り吐き出す。

「メタルは最高にカッコいい音楽だ!!いつも私を支えてくれたトモダチなんだ!!
お前はメタルをまともに聴いた事があるのか!?そんなご大層な事言えるほどには聴き込んだんだろうな!?
デスメタルを!!ブラックメタルを!!スラッシュメタルを!!ありとあらゆるヘヴィメタルを聴いたんだろうな!?」

男は彼女の怒りを真っ向から受け止める。
息を切らし、涙目になりながら自身を怒鳴りつける少女に向かって、
男はゆっくりと言った。

「あんなもの、まともな人間は聴かない」

ぐらりと彼女の視界が揺らいだ。
あまりの怒り、世間との断絶、失意、絶望、彼女の小さな身体では
抑えきれないほどの感情が湧き上がる。

「ふっざけんじゃねェーッ!!」

再度の絶叫。人を殺すような気迫。
しかし男に響いた様子はなく、ただ不快そうに顔を歪め、頭を掻きながら呟いた。

「うるっせえなあ」

そして男は当然のように言い放った。

「そんなだから、あのプロデューサーにも捨てられたんだよ」

「……えっ?」

男の言葉を聞いて、彼女は自分でも驚くほど間の抜けた声を出した。
一切考えていなかったその言葉によって、風船が萎むように力が抜けていくのを感じた。


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