星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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23: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:55:21.82 ID:Sev9O2YP0
しばらく談笑していると、時計を見て幸子が呟いた。

「うわ、もうこんな時間ですか、もう帰らなくちゃ……」

「そっか、じゃあ今日はお開きだな……」

「楽しかった……また、一緒に遊ぼうね」

帰り支度を始める、輝子は席を立つ。
トレイを持ったところで、不意に幸子が話しかけた。

「星さん!」

「ん、なんだ?」

幸子は小梅に目配せをする。二人ともむず痒そうにもじもじとしたと思うと、幸子が口を開いた。

「これからも一緒に、頑張っていきましょう!ボクたちはユニット仲間で……『友達』なんですから!」

幸子に合わせて小梅も続ける。

「私も、『友達』だから。なんでも、なんでも言って。なんでも、話してね」

二人は顔を赤くしながら、輝子に笑顔を向けた。

輝子は二人の顔を交互に見る。
震えながら俯き、やがて、再び顔を上げる。

「ありがとう、二人とも……」

もにょもにょと口を動かした後、輝子は大きく口を開いた。

「ありがとう、幸子ちゃん、小梅ちゃん!!」

「……ええ!輝子さん!」

「輝子、ちゃん…!」

輝子は真っ赤にしたまま、もう一度口を開いた。
感謝の気持ちを。一度では出し切れなった、15年分の感動を。

「ありが、とう!!」

二人の笑顔を見た後、輝子は踵を返し走り出す。
高まる感情を抑え、抑え、抑え、誰よりも速く走る。
デパートを出て、すっかり暗くなった闇夜に叫んだ。


「ヒィィイイヤッハァーーーー!!!」


15年分の歓喜の叫びが、夜の闇に消えていった。


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