星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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22: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:54:33.05 ID:Sev9O2YP0
「ああ、アレですか。星さんってああいう曲好きなんですか?」

「うん、ああいうのが、好きかな」

そう言っていると、お腹の底で真っ黒なものが渦巻いているような感覚になった。
震える手でジュースを置く。
どこか納得するように見てくる幸子と小梅をよそに、輝子の頭の中はある事でいっぱいになっていた。
自分は、メタルを本当に低俗な音楽だと思っていたのか?
咄嗟に隠してしまうほど気持ち悪い趣味だと思っていたのか?
自分に寄り添ってくれたメタルを、裏切ってしまったのか?

「星さん、気分悪いの?」

小梅が話しかけてきた。
急に黙ってしまったからだろうか。心配をかけてしまった。

「ううん、だいじょうぶ、だよ」

急いで笑顔を作り、頭の中の『それ』を振り払う。
今はこの時間を楽しまなくては。


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