4:名無しNIPPER[saga]
2022/06/29(水) 04:47:08.91 ID:5RrqZQj/0
「今まで、問題なかったようが、今回の砂嵐はやはり特殊だったようだ」
「そうだね、主にその砂嵐の規模と、その砂に大量の砂鉄が混じっていたことがこれまでと違った点かな。
大概の電子装置は防護対策してあるものだけど、なにせ古いから、ぼろっちいんだよね」
彼女の手が硬く、握り締められる。
「次は、絶対、設備予算を請求するんだ」
彼女の暗く淀んだ目を見ていると、深淵に引き摺りこまれそうだ。
「なにか、飲み物でも取ってこようか」
「いいよ、今血以外を飲んだら吐いちゃう」
寝袋を抱えた少女は、ノロノロとヴァルファリンのいる医務室へ向かう。
血に対する悦楽はブラッドブルードの特性である。
クロージャは普段はそれを拒絶しているが、理性が薄くなると抵抗するのが難しくなるようだ。私はそれを知っていたし、彼女がその後自己嫌悪に陥ることも知っている。
「クロージャ、やはり君のその衝動に至るまでの行動は評価されるべきだよ」
彼女は紅く輝く瞳で、私を捉える。
「そこまで言うなら、ドクターはしちゃってもいいってことだね」
しゅるり、しゅるり、クロージャは私の腰に手を添えて、逃げられないようにする。
瞬間、彼女の口元から延びる鋭い犬歯が、私の首筋に突き立つ。
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