中野二乃「すみませーん。本日は閉店でーす」上杉風太郎「はあ? まだ真っ昼間だろ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2022/08/09(火) 21:40:30.58 ID:Yhd0RwvXO
「つまり日々の積み重ねを大切しなさいってことね。いかにも四葉の得意分野だわ」
「私たちは劇的を求め過ぎている」
「そんなことは……」

ないとは言い切れない。だからダメなんだ。

「でも仕方ないじゃない……夢を見たいわ」
「私たちは乙女」
「やっぱり女に生まれたからには叶えたいことがあるじゃない? 運命的な何かとか」
「たとえば?」
「たとえば、そうね。今まさにフーくんがお店に現れて」

カランコロンと来店を告げる鐘の音が響く。

「邪魔するぞ。二乃、三玖」
「フータロー、ほんとに来た」
「フーくん!?」

心臓が飛び跳ねる。なんて、運命的な邂逅。

「フータロー、ひとり?」
「ああ。たまたま近くを通りかかってな」
「そ、そう。偶然そんなことがあるのね」

ドキドキする。恋だけでいっぱいいっぱい。

「フータロー、何か食べてく?」
「いや、目的は別にある」
「へ?」

いきなり見つめられて、赤面。なんなのよ。

「二乃」
「な、なによ。そんな真剣な顔で詰め寄るなんて……あんたには四葉というお嫁さんが」
「そこを退いてくれ」
「……は?」
「店の奥のトイレが借りたいんだ」

ああ、そう。なるほどね。これがウン命ね。


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