248: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/09(水) 11:45:43.23 ID:hVp6cgNM0
愛ちゃんが抱き着いてきて、思わず尻餅をつく。
愛「あの土壇場でよくあんな作戦ひらめいたね!」
侑「さっき歩夢が言ってたとおり、ヒバニーと同じでイーブイも主力のほのお技が雨で半減しちゃってる状態だったから……一瞬だけでも、イーブイの火力を最大まで引き出すには、雨雲を晴れさせるしかなかったからね」
「ワシャボッ」
侑「おかえり。ありがとうワシボン。うまく行ってよかった」
「ワシャッ」
肩にとまったワシボンを撫でながら労う。そして、
「ブイッ」
ライボルトの入ったボールを咥えたイーブイが私のもとに戻ってくる。
侑「イーブイ、ありがとう。新しい“相棒わざ”のお陰で、また助けられたよ」
「ブイッ!!」
リナ『さっきの技は“びりびりエレキ”って技だよ』 || > ◡ < ||
侑「“びりびりエレキ”……この調子でどんどん新しい“相棒わざ”も増えていくのかな?」
「ブイ」
リナ『いろんな環境の場所に行けば、増えていくかもしれない』 || ╹ ◡ ╹ ||
侑「だってさ、イーブイ」
「ブイ?」
……そういえば、イーブイの新しい技にも助けられたけど……。
侑「ニャスパーは……」
愛「……それが、もうどっか行っちゃったんだよね」
侑「え……?」
確かに、愛ちゃんの言うとおり、周囲を見渡しても、ニャスパーの姿はもうすでになかった。
侑「なんだったんだろう……」
愛「とりあえず今は助かったことを喜ぼうよ♪」
侑「まあ、それもそうだね……」
どうにか、ドッグランは無事に抜けられそうなわけだし……。
侑「……そうだ、歩夢は……!?」
愛「……歩夢なら、先に行ってるはずだよ」
侑「そ、そっか……すぐに迎えに行ってあげなきゃ!」
きっと、一人で不安だろうし……!
私が勢いよくその場から立ち上がると──視界がグラっと傾き始めた。
侑「あれ……?」
そのまま、景色はどんどん傾いて行き──最後には完全に横向きになった。
「──ゆうゆ!?」『──侑さん!?』
愛ちゃんとリナちゃんの声が、なんだか遠くに聞こえるとぼんやり思いながら──私の視界はゆっくりと暗闇に飲み込まれていくのだった。
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