493: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/22(火) 12:11:09.64 ID:lNytOG/10
■Chapter025 『スボミーの森』 【SIDE Shizuku】
──時刻はお昼を過ぎ、太陽が少しずつ傾き始めた頃。
かすみ「それじゃ、コメコシティに向かってレッツゴー♪」
しずく「日が暮れる前に森を抜けないとね」
3番道路を通過し、コメコの森に差し掛かった。
コメコの森は、オトノキ地方最大の森だけど、道さえ外れなければ抜けるのはさほど難しくない場所だ。
野生のポケモンの気性も大人しいポケモンが多いし、苦労することもないだろう。
そんな中、私の腰についているボールが1つ、震え出す。
しずく「ん……?」
どうやら、外に出たがっているようなので、ボールを投げて、外に出す。
「──スボ…」
しずく「スボミーどうしたの?」
「スボ…」
ボールから出たがっていたのはスボミーだ。スボミーは外に出ると辺りをキョロキョロ見回しながら、とてとてと歩き始める。
かすみ「そういえば、しず子のスボミーってこの森のポケモンだったんだよね?」
しずく「うん……まあ、そうだね」
かすみ「やっぱり、故郷の空気が恋しかったのかな」
しずく「……そうかもしれないね」
……とはいえ、結果として群れから追い出されてしまった子だから、自分から外に出たがるとは思っていなかったけど……。
「スボ…スボミ」
スボミーは辺りをキョロキョロと見回しながら、歩いている。
かすみ「なんだろう……見回りでもしてるみたいかも」
しずく「もしかして……敵がいないか見張ってるの?」
「スボ」
しずく「大丈夫だよ、スボミー。この森は大人しいポケモンが多いから……。……あれ……?」
かすみ「どしたの、しず子?」
しずく「いや……」
ふと、思う。……このスボミーが群れから追い出された理由は、ロトムの言っていたことが正しいのなら、外敵に自分から攻撃を仕掛けていたからだ。
しかし、この森のポケモンは基本的に大人しい気性のポケモンばかり。……じゃあ、スボミーは一体何と戦っていたんだろうか……?
しずく「…………」
もしかして……スボミーたちの外敵足りうる何かが、この森には潜んでいる……?
森の木々が風に揺れ、葉同士が揺れて擦れ合う特有の音が聞こえてくる。
普段だったら、平和の象徴のような、穏やかな自然のBGMも、そんな疑念のせいか、少し不気味な音に聞こえる気もする。
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