494: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/22(火) 12:12:18.97 ID:lNytOG/10
しずく「考えすぎ……かな」
あたりを見回すと、
「スボ…」「スボミ…」「ボミィ…」
いつのまにか、私たちを遠巻きに見つめるスボミーたちが、あちこちにいることに気付く。
しずく「スボミー……このスボミーが元居た群れの子たちかな……」
「スボ」
かすみ「なんか、遠巻きに見てる……やっぱり怖がられてるみたいだね」
しずく「うん……」
ただ、スボミーはそんなことを気にも留めず、辺りをしきりに見回している。
しずく「スボミー……どうしたのかな……」
かすみ「やっぱり今でも、元居た群れの仲間たちが心配なのかもよ?」
しずく「……そういうことなのかな」
そういう理由なら、いいんだけど……。なんだが、スボミーの警戒の仕方に少しだけ異様なものを感じ始めた、そのときだった──
「──フェロ」
かすみ「……え?」
しずく「……!?」
気付いたときには──細く、真っ白なポケモンが私たちの目の前に立っていた。
長身な人間くらいの高さで、透き通るような白い体躯の初めて見るポケモン。
姿を認めた次の瞬間──気付けば、私は尻餅をついていた。
しずく「……え?」
余りに自然に膝が折れて、尻餅をついている自分に驚いた。
それと同時に、身体が震えていることに気付く。
さらに、全身から嫌な汗を掻き始める。
──それは、生物としての本能だった。
理由はわからないけど、このポケモンは……まずい。脳が警鐘を鳴らしている。
咄嗟に、かすみさんにも視線を向けると、
かすみ「……あ、え……?」
かすみさんも同じような状態で尻餅をついていた。
「フェロ…」
目の前のポケモンが、私に視線を向けて来る。目が──逢った。
視線が交わった瞬間──動けなくなった。
しずく「……だ、ダメ……」
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