767: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/06(火) 13:49:44.85 ID:hNufaooJ0
  
 かすみ「わー!? ヤブクロン、勝手に食べちゃダメでしょ!?」 
  「ヤブ…?」 
  
 侑「かすみちゃんのヤブクロン、お花食べるの?」 
  
 かすみ「は、はい……お花が大好物なんです……。でも、お花畑の花は食べちゃダメでしょ!」 
  「ヤブ…」 
  
 かすみ「そんな不機嫌そうな顔されても……勝手に食べたら、かすみんが叱られちゃいますよぉ……」 
  
 歩夢「うーん……ちょっとくらいなら大丈夫だと思うよ?」 
  
 かすみ「えぇ……? そんな、歩夢先輩まで……。管理してる人とかに叱られちゃわないですか……?」 
  
 リナ『太陽の花畑には管理人はいないよ』 || ╹ᇫ╹ || 
  
 かすみ「はぇ……? え、だって、お世話してる人がいるでしょ?」 
  
 歩夢「あのね、かすみちゃん。太陽の花畑は、自然のお花畑で、人の手は入ってないんだよ」 
  
 かすみ「え!? こんなに大きくて、いろんな種類のお花があるのに!?」 
  
  
 かすみちゃんが驚くのも無理はない。 
  
 私も昔は、誰かが手入れをして、作ったものだと思っていたもの。 
  
  
 リナ『この花畑は花にとって、特別な環境になってるんだよ』 || ╹ ◡ ╹ || 
  
 侑「特別な環境って、具体的には?」 
  
 歩夢「ここのお花畑はね、太陽のエネルギーに溢れてるって言われてるの」 
  
 かすみ「太陽のエネルギーに溢れてる……?」 
  
 歩夢「うん。あそこにある大きな花……見える?」 
  
  
 私は花畑の中央の方を指差す。 
  
  
 かすみ「ああ、あのでっかいヒマワリですよね! ここの名物ですから、あれは知ってますよ!」 
  
 侑「確か……大輪華・サンフラワーだっけ?」 
  
 かすみ「どうすれば、あんなに大きく成長するんですかねぇ……」 
  
 歩夢「あのヒマワリはね、太陽のエネルギーの塊だって言われてるの」 
  
 侑「太陽のエネルギーの塊……?」 
  
 かすみ「えぇ? じゃあ、あのおっきなヒマワリが、周りのお花を育ててるって言うことですかぁ?」 
  
  
 かすみちゃんが不思議そうに小首を傾げる。 
  
  
 歩夢「えっと……進化の石ってあるでしょ?」 
  
 侑「ああ、“ほのおのいし”とか“みずのいし”とかのことだよね」 
  
 歩夢「うん。あれは小さい手の平のサイズの石なんだけど……自然界には、あの進化の石と同じようなエネルギーを持った場所があるんだって」 
  
 リナ『ここはそんな“たいようのいし”のエネルギーが満ちてる場所って言われてるんだよ』 || ╹ 𝅎 ╹ || 
  
 かすみ「え? じゃあ、“たいようのいし”いらずってことですか?」 
  
 歩夢「うん。チュリネやヒマナッツはここにいるだけで、進化することがあるみたいだよ」 
  
 かすみ「え!? ほ、ホントに“たいようのいし”いらずだった……」 
  
 リナ『そんなエネルギーの恩恵を受けて、多くの花が自生してるんだよ』 || ╹ ◡ ╹ || 
  
 侑「でも、どうしてそんなエネルギーがここにはあるの?」 
  
 リナ『正確な理由はわかってないみたい……。私のデータにもない』 ||  ̄ ᇫ  ̄ || 
  
 歩夢「でもね、あのサンフラワーにまつわる伝説は残ってるんだよ」 
  
 かすみ「伝説ですか?」 
  
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20