770: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/06(火) 13:53:21.02 ID:hNufaooJ0
  
 エースバーンがすぐに戻ってくる。 
  
 あとは、マホイップ……。 
  
  
 歩夢「マホイップ〜……どこ行っちゃったの〜……?」 
  
  
 呼んでも全然マホイップの姿が見えない。 
  
 恐らく、花の匂いに夢中になっているんだと思う。 
  
 マホイップは小さいから、花の影に隠れちゃうし……呼ばれていることに気付いてくれないと探すのが大変なんだけど……。 
  
 どうしようかと考えていると、 
  
  
  「…シャボ」 
  
  
 私の意図を汲んだのか、さっきまで寝ていたはずのサスケが私の身体を伝って、するすると地面に降りていく。 
  
 舌をチロチロとさせたあと、花を掻き分けて、進んでいく。 
  
 どうやら、探してくれるようだ。 
  
 舌先で匂いを嗅ぎ分けるサスケの後に付いていくと、 
  
  
  「マホ〜…♪」 
  
  
 マホイップは案の定、お花の匂いに夢中になっているところだった。 
  
  
 歩夢「やっと見つけた……ありがとう、サスケ」 
  「シャボ」 
  
 歩夢「マホイップ。そろそろ、行くよ」 
  「マホ?」 
  
  
 屈んで、マホイップを抱き上げる。 
  
 その際、ふと──小さなポケモンが地面にいることに気付く。 
  
  
  「ベベ…」 
  
 歩夢「……フラベベ?」 
  
  
 いや、フラベベなら周りにたくさんいる。 
  
 ただフラベベが居ただけなら、特に気にしなかったんだろうけど……。 
  
 本来花に乗り、風を受けて空を漂っているはずなのに、そのフラベベは──地面をぴょんぴょんと跳ねていた。 
  
 つまり、花を持っていなかった。 
  
  
 歩夢「あなた……お花はないの?」 
  
  「ベベベ…」 
  
  
 訊ねると、ふるふると首を振る。 
  
  
 歩夢「お花がないと、危ないよ?」 
  
  「ベベベ…」 
  
  
 フラベベは花の力がないと、満足に戦えないポケモンだし、こうして花もないまま1匹でいるのは、少し心配になる。 
  
  
 歩夢「……好きなお花、見つからないの?」 
  
  「ベベ…」 
  
  
 そう訊ねると、フラベベは頭を垂れて、しゅんとしてしまう。 
  
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